事例紹介

  1. HOME
  2. 事例紹介
  3. 伊藤忠食品株式会社、加藤産業株式会社、国分グループ本社株式会社、株式会社日本アクセス、日本酒類販売株式会社、三井食品株式会社、三菱食品株式会社

卸7社合同による
EDI拡大に向けた取り組み

伊藤忠食品株式会社、加藤産業株式会社、国分グループ本社株式会社、株式会社日本アクセス、日本酒類販売株式会社、三井食品株式会社、三菱食品株式会社

リモートワークの普及やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進など、酒類・加工食品業界を取り巻く環境は大きく変化しており、これらの変化に対応するためには業務のデジタル化、ペーパーレス化が必要不可欠です。
伊藤忠食品様、加藤産業様、国分グループ本社様、日本アクセス様、日本酒類販売様、三井食品様、三菱食品様の7社は非競争領域である仕入先とのEDIを一層推進すべく、2021年3月から合同での取り組みを行っておられます。
今回は各社のご担当者様にお集まりいただき取り組みの経緯や今後の展望についてお話を伺いました。(本文敬称略)

ご担当者様(取材当時)

  • ■伊藤忠食品株式会社
    情報システム本部 情報システム部
    システム開発チーム 課長補佐
    松村 建吾 様
  • ■加藤産業株式会社
    情報システム本部
    情報システム部 係長
    森 拓也 様
  • ■国分グループ本社株式会社
    サプライチェーン統括部
    業務改革推進部 副部長
    齊藤 暁祐 様
  • ■株式会社日本アクセス
    ICT運用部 運用管理課
    中川 健太 様
  • ■日本酒類販売株式会社
    情報物流本部
    情報統括部 担当課長
    鴫原 圭子 様
  • ■三井食品株式会社
    システム本部
    業務システム統括部
    森川 慎一 様
  • ■三菱食品株式会社
    商品統括 マスタ管理グループ
    企画ユニット ユニットリーダー
    三上 政男 様

※本取材は2022年1月にオンラインにて実施いたしました。

これまでの取り組み

――これまでのEDI化に向けた取り組みについてお聞かせください

加藤産業 森

われわれ卸各社はこれまで、日々の商談に加え文書発信など仕入先様に対して個別にEDI化に向けた依頼をおこなってまいりましたが、仕入先様によっては卸1社では費用対効果が見込めないなどお断りされることもあり、個別でのアプローチに難しさを感じることがありました。また、1つの仕入先様に対して卸各社がそれぞれ別のタイミング、方法でアプローチを行っていたため、仕入先様にとっても動きにくい状況であったと思います。

――やはり仕入先様とEDI化できていないと大変なのでしょうか

日本アクセス 中川

卸にとっては仕入先様から出荷案内データを受領できれば請求・支払業務において卸側実績との照合処理が自動化できるため業務負荷軽減につながります。一方で、出荷案内データを受領できなければ手作業での照合業務が発生し大きな業務負荷が掛かってしまいます。

三菱食品 三上

発注についてもFAXで行なうことでリファックスを受領・仕分けする手 間が掛かりますし、通信費などのコストも掛かります。仕入先様にとっても受発注データを受領されることで受注入力、リファックスなどの業務負荷軽減につながります。双方で発生している入力業務や照合業務、紙でのやり取りをなくせることはEDI化する大きなメリットであると考えています。

伊藤忠食品 松村

FAX発注においては通話中等による不達エラーも日々発生しており、それらが解消されることも双方にとって大きなメリットですね。現場で手作業が発生することにより出社対応を余儀なくされていますが、EDI化が進めばリモートワークももっと推進しやすくなると思います。

非競争領域での協調

――今回の取り組みに至った経緯についてお聞かせください

国分グループ本社 齊藤

仕入先様とのEDI化は長年のテーマではあったものの、どの仕入先様からアプローチすれば良いかなど様々な課題を抱えていました。一昨年の新型コロナウイルス感染症拡大以降、リモートワークが普及・定着し、FAX発注や出荷案内書などの紙をデータ化することが卸各社の重要なテーマとなっています。一方で、仕入先様とのEDI推進については非競争領域であり、個別にアプローチするのではなく卸各社が協調し業界全体の動きとして標準化・効率化を目指すべきという主旨に6社(※)が賛同し、ファイネットには本取り組みにおける橋渡し役を担ってもらいました。対象企業の選定、活動内容の決定などの準備期間を経て、2021年3月より本格的な活動を開始しました。
(※)開始当初は日本酒類販売を除く6社でスタート

――日本酒類販売様は2021年7月から本取り組みに参加されましたが、どのようなきっかけだったのでしょうか

日本酒類販売 鴫原

先に取り組まれていた6社より、仕入先の立場として協力依頼文書(詳細後述)を受け取ったことがきっかけです。弊社も仕入先様に対してEDI化の依頼を行ってきましたが、やはり個別のアプローチではEDI化が進みにくいことを感じておりました。そこでファイネットを通じて参加を打診し、本取り組みに合流させていただくこととなりました。

――準備期間で実施された対象企業の選定はどのように行われたのでしょうか

三井食品 森川

まずは卸各社でEDI化を希望する仕入先様を選定・リスト化し、ファイネットに取り纏めてもらいました。ちなみに三井食品では伝票枚数や営業部門からの依頼をもとに業務効率化の効果が高い順に選定を行いました。特に出荷案内データについては、社内システムに連携し直送計上等に利用しており、いただいたデータがそのまま効果につながるためです。

伊藤忠食品株式会社 松村

各社のEDI化希望リストを集計し、仕入先様ごとに希望する卸の重複有無を確認しました。本取り組みは卸が合同でアプローチすることが主旨であることから、卸1社のみが希望する仕入先様は対象外とし、2社以上の希望が重複する仕入先1,528社を対象として選定いたしました。

合同でのアプローチを開始

――具体的な活動についてお聞かせください

加藤産業株式会社 森

前述の通り選定した1,528社の企業について、「①ファイネットに加入済みで他の卸とEDIを行っている企業(376社)」と、「②ファイネットに加入済みだがEDI未実施、もしくはファイネット未加入の企業(1,152社)」に分類いたしました。そのうえで、2021年3月に①の企業に対して、卸連名で受発注・出荷案内のEDI化に向けた協力依頼文書を発信し、期日までに275社の仕入先様より回答をいただきました。

日本酒類販売 鴫原

その後、回答いただいた仕入先様へのアプローチと並行して、2021年9月に②の企業を対象とした合同説明会を開催いたしました。コロナ禍につきオンラインで視聴いただく形式となりましたが、卸各社の主催会を設定し計7回の開催で473社1,075名の方にご出席いただきました。

国分グループ本社株式会社 齊藤

改めて多くの仕入先様にご協力をいただき誠にありがとうございました。2021年はこれら2つの活動を経て、1,528社のうち205社より「EDI対応可能」、211社より「前向きに検討する」と回答をいただきました。これらの仕入先様と順次EDI化に向けて打合せを進めており、既に63社の仕入先様が我々7社のいずれかと新たにEDIを開始されています。

――実際に合同でアプローチを行ってみて変化はありましたか

三菱食品 三上

仕入先様へアプローチを行う際、「この先御社との継続的な取引を考えた時にこのまま紙でのやり取りを続けることは双方にとって発展の妨げになってしまいます。業界全体としてEDI化は推進すべきものです。是非この機会に一歩踏み出しましょう。」と問い掛けをしています。本取り組みを行う前までは、「業界」という表現を使ったところで、一卸の呼びかけに過ぎず説 得 力を持たすことが出来ませんでした。しかし本取り組み開始以降、卸各社の総意であることをお伝えすることによって、仕入先様の意識に変化が出てきたように思えます。一部システム開発等の負担も発生する場合がありますが、「ほぼすべての卸と同じ仕組みで運用することができる」という後ろ盾により仕入先様の社内でも話が通りやすくなっていると感じています。

三井食品株式会社 森川

より業務効率化の効果が高い仕入先様と、スムーズにやり取りできるようになった点も大きな変化だと思います。これまでは仕入先様へのアプローチは営業部門が実施し、お互いの営業部門間でやり取りを行なった後にシステム部門間でやり取りを行うことが多く、EDIを開始するまでに時間を要すことが課題でした。しかし、今回の取り組みではすでにファイネットを経由してEDIを行っている企 業も多く、直接システム部門間でやり取りすることでスムーズに進められるようになりました。

――仕入先様の反応はいかがですか

株式会社日本アクセス 中川

「今回の依頼がEDI化に向けて取り組む良いきっかけとなった」「紙からデータに移行できたことで業務負荷が大幅に軽減した」などの声をいただいています。仕入先様にとっても効率化につながっていることが実感できそのあたりも本取り組みの成果であると感じています。

――みなさまの社内での変化はありましたか

加藤産業株式会社 森

弊社では本取り組みに仕入部門の担当役員も関与しており、改めてファイネットの存在を理解する事により、商談時に受発注・出荷案内でEDI実施済みの仕入先様に対し、販売実績や販促金の活用など積極的に依頼するようになりました。

日本酒類販売 鴫原

弊社ではこれまで受発注部門と経理部門でEDI化したい仕入先様が違っていましたが、今回の取り組みにより部門間で情報を共有し、協力しながらEDI化を進められるようになりました。

――本取り組みに対する評価をお聞かせください

株式会社日本アクセス 中川

卸7社合同でEDI拡大に向けた取り組みをすることで、他卸でEDI化できているが、弊社ではEDI化できていない仕入先様が明確になる等、比較的導入がスムーズに進むと思われる仕入先様が洗い出されました。そういった情報を各社間で共有化できたことは大きなメリットだと思います。

国分グループ本社 齊藤

仕入先様のEDI実施状況、EDI化に向けた反応を把握できたことや、業界としての動きであることを仕入先様にお伝えすることができたことは今後につながる一歩になったと思います。

今後に向けて

――EDI対応に前向きな仕入先様がとても多いことがわかりましたが、これからどのような取り組みをされる予定でしょうか

伊藤忠食品株式会社 松村

このような状況下につきEDI対応を前向きに検討される仕入先様は確実に増えています。引き続き仕入先様からの依頼に対応しつつ、卸からのアプローチも継続して取り組んでいきます。現在多くの依頼をいただいており、対応に時間を要してしまうケースもございますがご配慮いただけると幸いです。

加藤産業株式会社 森

一部でEDIに対応できない仕入先様もいらっしゃいますが、いつまでも紙での業務を続けることはお互いに非効率ですので、引き続き粘り強くアプローチし続けます。

――最後に今後に向けてのメッセージをお願いします

三菱食品 三上

目指す姿は100%のEDI化です。この目標を達成すべく仕入先様との話し合いを続けていきます。具体的には、前向きな回答をいただいた仕入先様を中心に1社1社打ち合わせを行い、着実にEDI化を実現していきます。EDIと聞くと非常に難しく大掛かりなシステム対応が必要だと思う方もいらっしゃるかと思いますが、Webサイトを経由したデータ送受信の方法などパソコン1台から始めることも可能です。仕入先様におかれましても「EDI化を実現するにはどうしたらよいか」という前向きな視点でご検討いただきますようよろしくお願いいたします。

――本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました