事例紹介

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統一取引先コードを活用した
取引先マスター管理効率化の取り組み

国分グループ本社株式会社

企業間データ交換において、コード変換対応などマスター情報の管理に頭を悩ませているというユーザー様の声をお聞きします。そこで、統一取引先コードを自社の取引先コードとして運用されている国分グループ本社様に、取引先マスター管理の効率化や取引先コード標準化の取り組みについて伺いました。(本文敬称略)

ご担当者様

  • ■国分グループ本社株式会社
    サプライチェーン統括部 業務改革推進部

    副部長
    齊藤 暁祐 様

    マスター管理課 グループ長
    矢内 奈月 様

EDI取引には欠かせない統一取引先コード

――はじめに、国分グループ本社様における統一取引先コードのご利用状況についてお聞かせください。

齊藤

国分グループ本社をはじめエリアカンパニー各社、国分フードクリエイトなどグループ各社を含め、統一取引先コードを自社の取引先コードとして利用しています。一部例外はありますが、EDIにおいて弊社から送信する受発注データ、販売実績データ、販促金請求データの取引先コードは統一取引先コードをセットしています。

――統一取引先コードを利用されることになった経緯をお聞かせください。

齊藤

弊社では40年近く前からメーカー様とのお取引でEDIを行ってきました。当時はプライベートコードのみの運用でしたので、接続先の拡大とともにコード変換対応にかかる負荷が増大していきました。そこで、同じ悩みを抱えていたメーカー様や卸様とともに、日本加工食品卸協会様のご支援をいただきながら、業界共通で使用する取引先コードの運用に向けた検討を重ね、ファイネット様の統一取引先コード管理サービスの前身にあたる酒類食品全国コードセンター(SSZCC)を設立し、統一取引先コードを酒類食品業界の取引先コードとして運用していくことになりました。弊社では、この当時からEDIで使用する取引先コードを原則として統一取引先コードに集約し、取引先マスター管理の効率化に努めてきました。

――統一取引先コードは、酒類メーカー様、卸様を中心に利用されています。国分グループ本社様についても、酒類メーカー様とのEDIで統一取引先コードを利用されているのでしょうか?

齊藤

取引先コードの標準化は、酒類メーカー様、卸様が会員の多くを占めていたSSZCCを軸に展開がされてきたため、酒類中心の利用になっているのだと思います。統一取引先コードは、全国の小売店など酒類食品を扱う取引先のほとんどをカバーしているので、弊社では酒類メーカー様に限定せず、食品メーカー様とのEDIでも統一取引先コードを利用しています。

取引先マスター管理の効率化に貢献

――これまで、統一取引先コードを利用されていて、どのようなメリッ トがありましたでしょうか?

矢内

一番のメリットは、取引先マスターの管理、運用がスムーズに出来るという点です。

まず管理面において、統一取引先コードは、必要な時にいつでも登録申請ができます。ご存知の通り、弊社は全国すべてを営業エリアとしていますので、お取引先様情報の更新がほぼ毎日たくさん発生します。新店開店や既存店の移転などの登録申請をしたら、翌日には統一取引先コードが付番され、さらにその翌日には弊社の取引先マスターに反映がされます。この一連の流れを自前で行うとなると、かなりの人手を要します。特に、コードの申請内容をファイネット様のコード管理センターにより厳正にチェックをいただけるので、とても助かっています。

また運用面においては、EDIの接続相手メーカー様と、取引先コードの追加、更新情報などのやりとりをしなくて済む点が挙げられます。とにかく、管理する取引先コードの件数が多いので、新規でEDIを開始する場合を除き、メーカー様と取引先コードの内容についてのやりとりを都度行うのは容易ではありません。統一取引先コードであれば、仮にメーカー様側で取引先コードの受信エラーが発生した場合でも、弊社に問い合わせるまでもなく、ファイネット様の統一取引先コード管理システムで検索いただければ、どこの取引先であるかがすぐに確認できます。これはメーカー様にとってもメリットが大きいと思います。

――国分グループ各社様から、ほぼ毎日統一取引先コードの登録申請をいただいています。取引先コードの管理はどのような体制でされているのでしょうか?

矢内

私どもが所属する国分グループ本社のサプライチェーン統括部・業務改革推進部マスター管理課が、グループ全体を統括して取引先マスターの管理を行っています。当社はファイネット様の会議体である「統一取引先コード運営部会」の運営委員を務めさせていただいていますので、統一取引先コードを利用する上で何か運用上の課題等があれば、当部署で内容をとりまとめ、課題提起をさせていただいています。なお、コードの登録申請について、東北、関東、中部エリアについては本社のマスター管理課が、北海道、近畿、中国、四国、九州エリアについては、エリアカンパニーが行っています。おおよそですが、グループ全体で毎月500件程度の登録申請を行っています。

取引先コードの標準化推進にあたって

――当業界でコードの標準化の必要性が叫ばれてから長い年月が経過していますが、なかなか一足飛びに標準化は進みません。この状況をどう見ていますでしょうか?

齊藤

おそらく、マスター管理部署の方は、コードの標準化を進めたらマスター管理の効率化に繋がるということを理解されているのだと思います。しかしながら、各社で管理するマスター情報は、個々のニーズを考慮してコード体系や管理項目を設定されていて、結果的に社内ではプライベートコード運用になっているのでしょう。

コードの標準化に向けた解決策として、マスター情報を社内用と社外用とでうまく整理して運用したらどうかと思います。EDIを行う場合、あらかじめ接続相手先と使用するコードの確認をし、変換テーブルを整備することになります。自社と相手先双方ともプライベートコードであれば、接続先の数だけ変換テーブルを用意しなければなりません。一方、社外とやりとりする取引先コードを統一取引先コードにしたら、変換テーブルを集約させることができます。そうすることにより、EDIにおけるコード変換エラーへの対応を大幅に削減できるのではないかと考えます。この取り組みについては、弊社も参画させていただいている「統一取引先コード利用促進部会」のメンバーで進めようとしているところです。この取り組みが拡大できれば、標準化の流れが加速するのではないでしょうか。

標準化は新たな付加価値創造

――最後になりますが、弊社に期待されることがございましたら、お聞かせください。

齊藤

EDIを円滑に運用するには、共通言語が不可欠です。その意味において、統一取引先コード管理サービスは、弊社のみならず、業界全体にとってもありがたい存在であると思っています。ファイネット様に期待することは、先程も話題に出ましたが、食品系のメーカー様や卸様で統一取引先コードを活用されている事例が少ないとのことでしたので、統一取引先コードの良さをより効果的に宣伝いただければと思います。ファイネット様が統一取引先コードのサービスをされるようになってから、無料でサービスを利用できるようになったことは、大きなセールスポイントだと思います。引き続き、弊社でもメーカー様と新たにEDIを開始する際は、統一取引先コードの利用を提案していきます。

弊社では新たな長期ビジョンの中で、“食品流通における「共創圏」の構築”というキーワードを掲げています。弊社のお取引先様と連携をしながら、食品流通における新たな価値、新たな事業を創造することで、業界の発展に貢献するという想いが込められています。標準化推進の取り組みは、まさに新たな付加価値創造の1つだと考えています。ファイネット様、酒類・加工食品業界標準化推進会議に参画されているみなさまを始め、この業界のみなさまとともに様々な取り組みを進め、大きな標準化の流れの形成に貢献できればと思います。

――引き続き、「酒類・加工食品業界標準化推進会議」での活動を中心に、コードの標準化に対するみなさまのご期待に沿えるよう、取り組んで参ります。本日は、貴重なお話しを聞かせていただき、ありがとうございました。


CORPORATE PROFILE

国分グループ本社株式会社

国分グループは1712年の創業以来、食の流通に携わってきました。「食のマーケティングカンパニー」として、食に関わるあらゆる事業者および生活者の真のニーズを主体的に捉えて、社内外の人々と融合した共創圏を構築・発展し、食の価値創造No.1企業を目指してまいります。

卸ビジネスで培ってきたノウハウを機能として提供するとともに、経営資源を活用した共創ビジネスを新たに提供してまいります。また、SDGsステートメント「300年紡いだ商いを次世代に繋げていく。私たちは食を通じて世界の人々の幸せと笑顔を創造します」を企業理念のサブワードとし、未来への取り組み姿勢を鮮明にいたしました。これからも価値ある企業集団として、みなさまとともに歩んでまいります。