事例紹介

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調達業務で資材VANサービスを活用。
"働き方改革"を推進!

マルハニチロ株式会社

原料・資材の調達業務で資材VANサービスを活用して業務効率化を進めているマルハニチロ生産管理部様に取り組み状況をうかがいました。(本文敬称略)

ご担当者様

  • ■マルハニチロ株式会社
    生産管理部 調達課 課長
    橋本 一郎 様

    生産管理部 調達課 課長役
    日高 耕生 様

    生産管理部 生産管理課 副主任
    山本 亜紀子 様

会社組織の変化とともに歩んだEDI推進

――調達業務におけるEDI の導入状況について教えてください。

橋本

当社は、2004年に旧マルハの直営3工場で資材VANサービスを導入しEDIをスタートしました。工場における原料・資材の発注や買掛照合、また、本社における支払入力に多くの人手がかかっており、これらの作業の効率化が大きな課題でした。解決策として、購買管理システムを整備するとともにEDIを通じて購買情報(発注、請求情報)をデータ化することにより、作業の自動化を進めました。その後、旧ニチロや旧アクリフーズとの会社統合を経て、現在は直営工場を中心に10工場でEDIを導入し、サプライヤー175社と接続を行っています。この10工場については、支払金額ベースで82%がEDI化されています。

――工場にEDIを導入するにあたり、壁のようなものはあったのでしょうか。

橋本

会社母体ごとに調達に対する考え方は異なっていましたが、発注や買掛照合の作業内容は各社ほぼ同じでした。旧マルハで導入していたEDIを旧ニチロ、旧アクリフーズに展開することについては、作業の手段が変わるだけなので、大きな壁は無いと考えていました。

山本

旧ニチロでEDIを導入する時でしたが、発注訂正や取消、発注数量と納入数量が異なる場合の処理など、作業の細かい内容について工場の担当者からたくさん質問を受けました。FAX、電話、伝票ベースの作業に慣れていたので、システムを通じた作業に大きな不安があったのだと感じました。EDIスタート時のフォローではシステム操作手順とともに、EDIによって得られるメリットについて丁寧に説明し理解を求めました。スタートこそ苦労しましたが、その後は比較的短期間で慣れていただきました。EDI導入により作業負荷が軽くなったことを実感できるようになり、EDIに対する理解が広まったのだと思います。

橋本

長年慣れた作業のやり方を変えることは、誰もが抵抗を持つと思います。旧アクリフーズではEDI導入後、しばらくの間はフォローに苦労しました。最近では担当者から作業が楽になって良かったという評価を得ています。以前は残業して対応していた月末月初の作業の山を解消できた点が大きかったようです。10工場までEDIを展開できたのは、担当者がEDIのメリットに気づき、新しい作業に積極的になり、最終的に作業が楽になったという実感を持ってもらえたからです。

EDI導入がもたらすプラス効果とは!

――月末月初の作業の山が平準化されることはインパクトが大きいことなのでしょうか。

橋本

要員体制に大きく影響します。作業の山に合わせて要員は配置できません。月末月初に作業の山があることは、その間担当者に大きな負担がかかります。本社では工場の照合結果を踏まえて、月初3日間で支払処理を行います。支払処理に集中できれば良いのですが、実際は他の業務が頻繁に割り込んできます。

日高

支払処理は私1名で行っています。EDI導入により工場での買掛照合作業が早く完了するようになり、支払処理も短時間でこなせるようになりました。急に他の業務が割り込んできてもスムーズに対応できています。

山本

EDIを利用し当課で管理する買掛は、旧ニチロ、旧アクリフーズと統合する前の10年前と比較して、支払金額ベースで約4倍の規模になりました。取引規模が大きく変わっているのにも関わらず、導入当初から要員を増やすことなく対応できています。EDI導入によって作業の自動化が進んだからこそなのです。

――他にEDI 導入によるプラス効果はございますか。

橋本

購買管理システムを通じ、各工場における購買実態を本社がリアルに把握できるようになりました。

山本

工場でも購買履歴をスムーズに確認できるようになりました。以前であれば、サプライヤーの納期回答や納品実績は、大量にある返信FAXや納品伝票から探す必要がありました。

橋本

また、人に付いていた業務が標準化され、引継ぎがスムーズになりました。工場がISOを取得しているため、自然環境への配慮という要素もありますが、ペーパーレス化への意識も高まっています。

EDIは調達業務における働き方改革を後押しする!

――EDI は働き方を変えることに繋がるのでしょうか。

橋本

工場における事務作業は、今後ますますシステムによって補われていくのだと思います。特に生産部門は細かいミスでも許されません。作業の自動化によって担当者の精神的負担を軽減できることは、作業ミスや事故を防ぐ観点から大きなメリットなのです。人材確保が困難な現在において、自動化が可能な作業をいかにシステムに置き換えていくかが鍵を握ります。当社は、生産ラインにおける作業の自動化を優先して進めてきましたが、間接業務は置き去りとなっていました。資材VANサービスの活用によって間接業務を効率良いやり方に変えることができたのは大きな改革です。働き方改革の1つとして在宅勤務のケースがあります。工場の作業を在宅勤務にシフトすることはかなり難しい気がしますが、作業の自動化を進めるとともに、生産業務と間接業務とで担当者の棲み分けができれば、間接業務については在宅勤務でも対応可能な時代が来るのかもしれません。

――EDIに関する今後の展開予定はいかがでしょうか。

橋本

現在、工場に新しい生産管理システムを導入しています。新システムでは生産計画情報と在庫情報が連携されるので、まずはEDI導入工場において、より精度の高い発注を目指します。また、将来的にはEDIを導入していない関係会社の工場にも展開できればと考えています。

――最後にファイネットへのご要望等はございますか。

橋本

資材VANサービスについては、利用メーカーの拡大に尽きます。利用メーカーが増えれば、接続相手とな るサプライヤーにとっても作業の自動化を進めやすくなり、EDI導入のメリットが大きくなります。そうなれば、当社もサプライヤーとのさらなる接続拡大がスムーズになると思います。調達業務の効率化を検討されているメーカーがいらっしゃれば、資材VANサービスを活用した業務の効率化について、参考情報を提供できればと思います。


CORPORATE PROFILE

マルハニチロ株式会社

2017年10月をもって、マルハニチログループ誕生から10周年を迎えることができました。マルハニチログループではその水産物調達の分野で大きな役割を担い、漁業、養殖事業をはじめ、世界から水産物を買い付け、加工し、販売しています。世界を結ぶ独自のネットワークで、漁獲から食卓までのあらゆるプロセスをプロデュ-スしています。近年、そのビジネス環境は世界人口の増加、食文化の多様化、安心・安全への意識の高まり、医療・健康分野との融合など日々変化を見せています。マルハニチログループは、「食」において、これまで培ってきた技術力・商品力・調達力を活かし、グローバルな視点でより新しい価値を世界各国の食卓に向けてお届けします。