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「業革」、「挑戦」そして
「意識改革」への取組み

トーホーグループ

受発注オンライン化拡大の取組みについて、株式会社トーホービジネスサービス 情報システム部長 齋藤良弘様に、取組みの目的や背景、成果と今後の方向性などについてお話をうかがいました。

ご担当者様

  • ■株式会社トーホービジネスサービス
    情報システム部長
    齋藤 良弘 様

オンライン化からSCM革新へ

――今回の受発注オンライン化拡大活動の背景を教えてください。

少し前の話になりますが、トーホーでは2014年度を「業革の年」と位置づけ、さらなる生産性の向上とグループ全体のコストコントロールに取り組みました。また、2015~2017年度中期経営計画「IMPACT 2017」においては、重点施策の一つとして「業務改革による企業体質の強化」をあげ、最終年度にあたる今期も積極的なIT投資による業務効率化と、継続的な業務改善による生産性の向上に取り組んでいます。

2016年度にSCMシステムを見直すことにしたのも、この取組みの一環です。スムースな導入に向けて、2015年下期にプロジェクトが立ち上がり、以下3項目を柱に動きました。

①受発注ルールの整理
②物流ルールの見える化
③商品マスター管理の強化

これらの項目を具体的なアクションに落とし込む中で、「お取引先とのオンライン化推進」が必須項目として挙がり、推進手段の一つとしてファイネットの商品流通VANを最大限活用することにしました。業界の共通インフラであるファイネットは、その設立の趣旨にも共感しており、ファイネットのサービスを活用するのは自然な流れです。

――メーカー各社との進め方や苦労された点など教えてください。

トーホーのSCM革新、オンライン化推進の目的や内容をお取引先と共有させていただくため、2015年10月に説明会を実施しました。292社380名のお取引先に参加いただき、内容をお伝えするとともに、ファイネット営業推進部にも協力いただき、サービス概要や進め方について詳しく説明しました。その後も、お取引先各社の状況に合わせて、トーホーの担当者からオンライン化のメリットや取組みの意図を粘り強く説明し、最終的に210社から「オンライン化可能」との返答を得ました。一方で、接続に向けた実務作業には予想以上に時間がかかり、当初想定したスケジュールではお取引先の準備期間も十分でないことがわかってきました。しかし一旦諦めてしまえば担当者には失敗体験が残ってしまい、個人の成長につながりません。「やりきる」ことを最優先して社内の推進体制を強化しました。


お取引先様への説明会(トーホー会議室)

推進体制の強化から接続拡大

――具体的な推進体制とその効果については。

トーホービジネスサービスにおいては、問い合わせ対応や接続作業の実務担当者を1名から4名へ増員しました。トーホー マーケティング本部も、マスター管理およびお取引先初期対応の担当者を1名から4名へ増やしました。ファイネットにも、加入検討しているお取引先へのサービス概要説明やヘルプデスクでの問い合わせ対応など大きな協力をいただきました。体制強化の効果は2016年3月頃から現れはじめ、4月~7月の4ヵ月間には一気に100社以上との新規接続を実施することができました。現在も継続的に接続を推進していますが、活動の成果として、2016年12月時点で175社と新規接続することができ、受発注および出荷案内のオンライン率は明細行ベースでおよそ30%から50%へと大幅にアップしました。現在は次のステップとして、受発注データと出荷案内データの買掛金照合の精度をアップさせるべく、お取引先との打ち合わせを実施しています。

今回の活動を通じて、現場に「システム化することで業務効率化につながる」という意識が浸透したことや、オンライン化推進のノウハウが蓄積されたことは大きな収穫でした。オンライン化・システム化という部分について言えば、他の業界や市販用食品に比べて業務用食品卸はまだまだ遅れていると思います。トーホーとオンラインを開始したメーカーさんには他の卸さんともぜひオンライン化を進めていただきたいですね。また他の卸さんからもお取引先に声をかけてもらえれば、当社のオンライン拡大につながります。

「業革」「挑戦」のキーワードはいまグループ全体に浸透しており、他にもいろいろな取組みが進んでいます。トップメッセージにぶれがないことが非常に大きいと思っています。

業界全体に良い影響を

――ファイネットに対する期待をお聞かせください。

ファイネットへの加入企業が増えれば、料金が下がり、さらに加入が拡大します。そうした正のスパイラルが業界全体のコストを低減することになります。今回の取組みがそのきっかけになればいいと思っています。良いしくみはみんなで共有すればいい。業界全体を盛り上げたいですね。
また、商品情報授受標準化(PITS)の取組みにも引き続き参画していきます。食品業界各社は人の命を預かっています。「安心・安全」こそが最優先事項です。公開された商品情報が末端まで正確に届くことは非常に大切なことで、担当者は使命感を持って真剣に取り組むべきです。

――今後の貴社の展望をお聞かせください。

 IT投資は今後も加速させていきます。トップラインの拡大を見据え、2016年9月にシステムズコンサルタント社をグループに迎えました。トーホーグループのIT戦略の一翼を担っていただきます。

私たちはおかげさまで2017年10月1日に創業70周年を迎えます。支えて下さるステークホルダーの皆様への感謝の気持ちを忘れず、「業革」、「挑戦」そして「意識改革」をキーワードにこれからも業界全体へ貢献していきます。


CORPORATE PROFILE

トーホーグループ

トーホーグループ様は、「食を通して社会に貢献する」という経営理念のもと、「美味しさ」そして「安心・安全、健康、環境」をキーワードに業務用食品卸売事業、キャッシュアンドキャリー事業、食品スーパー事業等を通じて、顧客のお役に立つ商品・サービスの提供、家庭での楽しく豊かな食事を支える食材の提供により、「外食、中食、内食」の「食」の様々なシーンを支えておられます。
2017年6月には千葉県船橋市に飲食店向け新業態、ワンストップ型キャッシュ&キャリー店舗「トーホー せんどば 船橋店」をオープン。新たな顧客サービス強化に取り組んでおられます。