事例紹介

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写真:(左から)根津部長、佐々木様、滝口係長、根岸様

継続的なEDI( データ交換)拡大
による業務効率化

ユアサ・フナショク株式会社

日々行われる仕入先への発注業務。
より効率的に、より正確に、よりスピーディーに業務を行なうため、EDI拡大に継続的に取り組まれているユアサ・フナショク様。
取り組みの背景や効果、今後の方針をうかがいました。(本文敬称略)

ご担当者様(取材当時)

  • ■ユアサ・フナショク株式会社
    管理本部
    情報システム部 部長
    根津 隆裕 様

    管理本部
    情報システム部
    根岸 孝一 様

    管理本部
    情報システム部 係長
    滝口 友梨 様

    管理本部
    情報システム部
    佐々木 誠 様

発注EDI率は70%

――はじめに貴社の事業概要についてお聞かせください。

根津

ユアサ・フナショクは千葉県を本社として首都圏に事業展開している総合食品商社です。商事部門として小売、食品メーカーなどのお得意先様への卸売業を行なっており売上の約90%を占めます。その他にホテル部門と不動産部門があります。商事部門では家庭用食品から食品原料、業務用食材、米穀、飼料・畜産など、またユアサフナショク・リカーでは酒類などを幅広く取り扱っているため、様々な分野のメーカー様から商品を仕入れています。

――メーカー様への発注をEDI化されたのはいつ頃からですか?

根津

弊社では1990年頃から発注をEDI化しています。食品、菓子、酒類など取扱いカテゴリーは多岐にわたりますが、メーカー様への発注EDIは全てファイネットの商品流通VANサービスを通じて行っています。おかげさまで現在100社以上のメーカー様とEDI化が出来ています。カテゴリーによってばらつきはあるものの、全体として発注のEDI率は約70%まで進んできました。「物流問題」「働き方改革」など企業として対応すべき課題は様々ありますが、情報システム部としては「経費節減」を念頭に「業務効率化」「生産性向上」をより一層進めていく必要があります。そのため発注のEDI拡大についてはこれからも継続的に取り組んでいきます。

更なるEDI拡大

――発注のEDI拡大に向けた直近の取り組みは?

根岸

2018年度はより一層のEDI拡大を目指し、ファイネットに加入されている全メーカー様のうち弊社がまだ発注をEDI化出来ていないメーカー様や、EDI化は出来ているものの一部FAX発注が残ってしまっているメーカー様を洗い出し、そのメーカー様に積極的にEDI化の折衝を実施いたしました。6~8月にかけて41社のメーカー様へEDI化を打診し、9月からはEDI対応可能と回答頂いたメーカー様と1社1社地道にマスタ整備や運用/テスト方法などの確認を行い、FAX発注からEDIへの切り替えを進めていきました。結果として2019年3月には新たに15社のメーカー様とEDIを開始することができました。また、20社のメーカー様とはEDIの範囲を拡大し、残っていたFAX発注を削減する事ができました。
ご対応頂いたメーカー様各社の窓口の方にはあらためてこの誌面でも御礼をお伝えしたいですね。

――根岸様のお人柄が出ていらっしゃいますね。それではEDI拡大の取り組みの中で苦労されたことはございますか?

根岸

メーカー様にEDI化を打診するにあたり、各社のEDIご担当者と直接お話をしたいと思いましたが連絡先が分からなかったためファイネットに相談したところ、EDI窓口担当者の方を紹介して頂きメーカー様とお話することができました。 
その後のメーカー様との折衝の過程では、E D I 化に対するメーカー様側の社内合意取り付けまでかなりの時間が必要となるケースや、一部メーカー様からは取引実績を鑑みた費用対効果の観点からお断りされるケースがあったり、また現物条件取引があるためにEDIでの運用が難しいといったケースもあり、実際にお話を進める中で様々な課題があることもわかりました。しかし、このような課題に気付けたことは今後の更なるEDI拡大に向けて大きな収穫であったと思います。

EDI化によるメリット

――発注のEDI拡大によって得られるメリットを教えてください。

根岸

発注EDIを行う最大のメリットは、発注内容がメーカー様の受注締め時間までに確実に届けられるということです。弊社は現在EDIと自動FAXによる2通りの発注方法があり、自動FAX発注の場合、各拠点で入力した発注データをもとに、本社にあるFAXサーバを経由して発注を行っています。月初や週始め、連休前後は発注量が多くなるため、回線混雑による送信遅延や、それに伴う現場での送達確認などが発生することがあります。メーカー様の受注締め時間に発注が間に合わず、その結果お得意先様へ商品をお届けできないというリスクがFAX発注には潜んでいます。メーカー様も近年の働き方改革やトラックドライバー不足などの影響から、締め時間後の個別対応が以前と比べ厳しくなったと聞いています。
EDIであれば発注データをまとめてファイネットに送信するだけで良いことから、メーカー様の受注締め時間内に確実に発注内容を届けることができます。また、現場での送達確認やリファックスの受領なども不要となるため、業務負荷軽減に大きく寄与しています。
今後も2018年度にEDI化できなかったメーカー様26社を含め、より多くのメーカー様とのEDI化を実現すべく引き続き継続的に取り組んでいきます。今回同席した弊社の若手社員にもこの取り組みに積極的に関与しはじめてもらっています。

滝口

弊社情報システム部は少人数で日々の業務を行っており、今後の世代交代も視野に入れながら、諸先輩方がこれまで培ってこられた業務知識や経験を引き継いでいきたいと思っています。

佐々木

私は現在、上司や先輩の取り組みを見て様々な業務を習熟しているところです。EDI拡大は、今回の取材を通して改めて重要な取り組みであると認識いたしました。今後、メーカー様とEDI化の折衝など積極的に取り組んでいきたいです。

発注EDI以外の取り組み

――今後のEDI拡大方針についてお聞かせください。

根津

先ほど根岸からありました通り、引き続き発注のEDI拡大に取り組んでいきますが、2019年度は出荷案内についてもEDI拡大を目標に動いております。弊社の出荷案内データ活用の目的は、直送取引データ計上の早期化と業務効率化を図ることです。メーカー様から得意先様に商品が納品される直送取引について、出荷案内データから弊社の仕入と売上を自動計上する仕組みのシステム開発を行い、2019年7月に完了したところです。今までは、郵送やFAXで送られてきた出荷案内書をもとに直送計上の入力作業を行っていましたが、この出荷案内データを活用した直送自動計上機能を導入することにより、直送取引のメーカー様別得意先様別の仕入と売上の単価条件を管理するマスタを整備していくだけで、人手を介する入力作業がほぼ無くなり、出荷案内データを頂いた当日には直送取引データ計上が可能となりました。
現在は個別にメーカー様にご協力を頂いて、出荷案内データの仕様確認を行いテスト期間として一時的に出荷案内書と出荷案内データを併用しながら検証を進めているところです。今後の展開に向けて着々と準備を進めておりますので、メーカー様には弊社から出荷案内EDI化のご相談がありましたら、是非ともご協力をお願いします。

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――現在、インターネット手順への切り替えにも取り組まれていますね。

根津

まさに2019年下期から、これまで使っていた全銀協TCP/IP手順をインターネット手順(JX)に順次切り替えていっています。弊社は今年度基幹システムのハードウェアのリプレイスなど各種システムの入れ替えがある時期でしたので、このタイミングを機にインターネット手順への切り替えも行うことにいたしました。ファイネットの推奨しているインターネット手順への切り替え期限は2022年12月までであり、まだ時間が相当ありますが、弊社としては早めに切り替える判断をいたしました。インターネット手順に切り替えることで、これまでかかっていた通信費(通話料)がゼロになるわけですから、いずれ切り替えなければならないなら、早ければ早いほどそのコストメリットは最大化します。また、切り替える事で通信速度が向上し運用負荷が低減されるメリットも得られるでしょう。
他社も同様のお考えを持たれているかと思いますので、これからインターネット手順への切り替えを実施される企業が益々増えていくのではないでしょうか。弊社としてはファイネットが切り替え対応で忙しくなる前に実施できたことも良かったかもしれませんね。

――貴社は食品・酒類業界の卸売業の中でも高い経常利益率を継続的に出されています。何か秘策のようなものが?

根津

おかげさまで直近2019年3月期(第48期)では売上高1,085億円、経常利益率1.92%にて期を締めることができました。もちろんお取引先様と仕入先様のご協力があってこその数字ですが、弊社の社員一人一人が「効率化」「生産性向上」に取り組んでいることも一因だと思います。情報システム部としては先程よりお話が出ている各種EDI化による経費節減、インターネット手順への切り替え(=通話料廃止)などを例とした、様々なコストダウンを積み重ねて参りました。引き続き経費節減を進めながら若い力を一層取り入れて、より盤石な土台を造り上げていきたいですね。

ファイネットへの期待

――最後にファイネットに期待することをお聞かせください。

根津

ファイネット加入メーカー様の更なる増加を期待しています。特に弊社の場合はメーカー様への発注E D Iは全てファイネットの商品流通V A N サービスを通じて行っておりますので、メーカー数の増加が業務効率化に直結いたします。そういう意味では今後、食品、酒類のメーカー様にとどまらず、様々なカテゴリーのメーカー様がファイネットに加入してもらえると嬉しいですね。

――ご期待に沿えるよう引き続き取り組んで参ります。本日は貴重なお話をお聞かせいただき有難うございました。

CORPORATE PROFILE

ユアサ・フナショク株式会社

首都圏を中心に家庭用食品から食品原料、業務用食材、米穀、飼料・畜産など幅広い商品を取り扱う、地域密着型の総合食品商社です。食品の卸売りの他に、自社精米工場では千葉県をはじめとする各地の銘柄米を精米し販売、また原料・食材にこだわった各種PB商品の開発にも取り組んでいます。その他にビジネスホテル(パールホテルズ)の経営や不動産の賃貸事業も展開しています。「食」に関わる様々なシーンに対応し「食」を通じて人々の健康で豊かな暮らしを提案します。