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写真:(左から)小田様、奈良様

受発注EDIを推進し受注処理にかかる人的負荷と時間を大幅削減

日清食品株式会社

「チキンラーメン」や「カップヌードル」など、常に市場ニーズに対応した商品を展開してきた日清食品様。同社では長年、得意先からFAXで送信される発注書の処理に多くの人手と時間を要していました。これらの課題を解決するため、ファイネットの商品流通VANサービスを活用し、得意先との受発注EDI推進に取り組まれました。その結果、これまで要していた6,500時間に及ぶ作業工数の大部分を削減することに成功しました。(本文中敬称略)

ご担当者様

  • ■日清食品株式会社
    事業統括本部 サプライチェーン本部 SCM部
    オペレーションセンター 受注グループ グループマネージャー
    奈良 洋平 様

  • 事業統括本部 サプライチェーン本部 SCM部
    オペレーションセンター 受注グループ 主任
    小田 智彦 様

※本記事は、広報誌「FINE FINET」71号(2026年5月1日発行)の掲載記事をもとにWeb用に再構成しています。

FAXの受注処理が大きな負担に

――初めに貴社の事業概要についてお聞かせください。

奈良

当社は1958年に世界初の即席麺「チキンラーメン」を世に送り出し、その後1971年には、こちらも世界で初めてのカップ麺となる「カップヌードル」を発売するなど、常に時代の先を行く新たな食のかたちを提案し続けてきました。近年では、「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求した「完全メシ」の販売や、認知・売上の拡大にも注力しており、「新しい食文化を創造し続ける企業」として引き続き挑戦し続けています。
また、事業を支えるサプライチェーン領域においても、業務プロセスのデジタル化を推進し、安定供給と業務品質の向上を目的としたDXを積極的に進めています。

――受注業務が抱えていた課題について教えてください。

奈良

DX推進の中で、データ連携に基づくスムーズな業務実行体制の構築は不可欠だと考えていました。その中でも、とりわけ顕著な課題として捉えていたのが、得意先である卸売企業各社からFAXで送付される発注書の処理です。日々多数のFAXを受領しており、ピーク時には400枚以上/日に上ることもありました。
その受注処理のため約30人の人員を配置し、得意先様ごとに異なるフォーマットの発注書を読み込み、基幹システムへ手入力していました。そのため当社では総数で約800~900に上る、得意先別の手順(マニュアル類)を用意していました。

小田

さらに、システムへ入力したデータは、別の担当者の目でFAXの発注書と突き合わせるダブルチェックを必ず行っており、結果、FAX1件当たりの処理に要する時間は5~10分。(社内試算で)年間約6,500時間相当の工数を当該作業に要していました。
もっとも、そうしたダブルチェックを行っても、人手による作業では誤入力のリスクを100%は排除できません。
仮に誤入力が発生した場合は、誤配送などのトラブルを引き起こし、出荷した商品の引き取りなど、作業の手戻りが発生するほか、それに伴って取引先への納品が予定通りに行えないといった事態を引き起こす可能性もありました。

酒類・加工食品業界で実績のあるファイネットに注目

――貴社では、そうした人手による受注処理にかかる時間の削減と人的負荷の低減を目指し、ファイネットが提供する商品流通VANサービスの活用を決定されました。そこに至る経緯や選定のポイントをご紹介ください。

奈良

当社がまず検討したのが、AI-OCRを活用してFAXイメージを解析し、テキスト化したデータを基幹システムへ自動入力する仕組みでした。実際にいくつかのベンダーからの提案を受けて検討を進めたのですが、AI-OCRは有効な選択肢ではあるものの、運用品質の観点から一定の確認工程が必要でした。
また、帳票イメージを座標ベースで読み取ることから、当社が扱うおよそ900種類もの発注書フォーマットをあらかじめ設定(帳票定義)しておく必要があり、初期工数・コストが大きく、今回のスコープ/スケジュールでは採用が難しいと判断しました。運用開始後にもそうした帳票定義には引き続きメンテナンスが必要となることも、AI-OCR導入の大きな障壁となりました。

小田

そこで当社が注目したのが、ファイネットの商品流通VANサービスでした。商品流通VANサービスは酒類・加工食品業界において多くの実績があり、当社でも受発注を中心に活用しておりました。今回対象となった得意先様の中には既に他企業とファイネットでEDIを実施している企業もあり、それらの企業とは既存環境を前提にEDI化を進めました。
一方、EDI未実施の得意先様もかなり多く、そのような得意先様に向けては、より簡易に導入できるWebEDIの活用を推進しました。得意先様にしてみれば、インターネット環境さえあれば大掛かりなシステム開発や初期投資を伴わずに導入できます。当社側も、先方が入力した内容をそのままデータとして取り込んで基幹システムに連携できます。得意先様・当社双方にとって、業務の確実性とスピードの向上につながると考えました。

奈良

他社サービスの利用や当社独自の仕組み構築といった選択肢についても検討を重ねましたが、ファイネットのサービスは酒類・加工食品業界で広く活用されており、業界標準に基づいた運用が可能です。さらに、今後得意先様が他のメーカー様とEDI化を進める際にも、ファイネットを利用していればスムーズに対応できます。こうした点から、将来を見据えたメリットが大きいと判断しました。

――切り替えに向けた社内外への対応はどのように進められたのでしょうか。

奈良

まずFAX受注を停止する期日を2025年9月末に設定しました。ファイネットの活用を決めてから、商品マスタの登録や基幹システム連携の開発など、システム面に関わる対応を、受注グループとビジネスアプリケーション部が協力して進めました。また、運用面の見直しも同時に実施しました。例えば、発注書の基幹システムへの手入力が不要となる一方で、製品の発売・終売に合わせたマスタメンテナンスなどは引き続き必要です。そうした具体的な手順の見直しについても、受注グループとビジネスアプリケーション部が協力して進めました。

小田

並行して得意先様への告知・依頼を開始しました。そちらの作業は営業担当者が担うこととし、社内では営業担当者向けにWebEDIの機能や、得意先様での使い方をまとめた資料を作成し、全社説明会を2度にわたり実施しました。
その後、2025年6月初頭には、FAX受注を停止してEDIに切り替える旨の文書を、経営層名義の正式文書として全得意先様へ発信しました。発信後、営業担当者が順次出向いて、EDIへの対応を依頼して回りました。中には、「ファイネットとの契約にコストが発生する」と誤解され、切り替えに難色を示す得意先様もいらっしゃいましたが、費用面も含めて誤解を解き、移行条件を整理した上で、EDIへの切り替えを受け入れていただいたケースもあります。また、拠点・業務環境の事情により、すぐにオンライン利用へ移行しづらい得意先様も一部いらっしゃいましたが、営業担当者が個別に訪問し、切り替えをサポートしました。

EDIの推進で大幅な省力化を実現

――EDIの推進により、具体的にどのような成果が得られたかお聞かせください。

奈良

都合1年程度を要した導入準備も完了し、2025年9月末には、当初の予定通り、原則としてFAXによる受注処理を停止しました。その後、運用定着が進んだ現在では、従来のEDIに加えてWebEDIの活用も拡大し、受注の相当部分がEDIへ切り替わっています。特に取引ボリュームの大きい得意先からの受注は、ほとんどEDI化されています。これにより、従来人手で行っていた発注書の読み取りや基幹システムへの入力作業が自動化され、年間6,500時間に及ぶ工数をほぼ削減することができました。
そうした工数の削減により、これまでは出荷指図後に行っていたマスタメンテナンスや返品に関わる対応などの付随的な業務に定常的に取り組める余裕を生み出すことができ、受注グループの人員最適化にもつながっています。

――今後の展望とファイネットへの期待についてお聞かせください。

小田

現状、EDI化が完了していない得意先様は、やむを得ない理由で移行できていない企業のみです。こうした得意先様は、暫定的な代替手段で受注を行っています。以前ほどの負荷はないものの、営業担当者には相応の負担が残るため、当社としてもできる限りそうした得意先様に対して、EDIへ切り替えていただけるよう、引き続き依頼していきます。

奈良

ファイネットが採用している日本加工食品卸協会が策定するEDIフォーマット(日食協標準EDIフォーマット)が、メーカー・卸売業・小売業をつなぐ標準フォーマットとして一層普及するよう、当社としてもファイネットの活用をさらに推進していきたいと考えています。
得意先様から寄せられるサービスの使い勝手に対する意見や要望に対し真摯に耳を傾け、そうした声を速やかにファイネットへフィードバックすることで、より使いやすいサービスへと改善されることを期待しています。こうした取り組みが、食品業界全体のEDI化推進に寄与すると確信しています。

――ご期待に沿えるよう引き続き取り組んでまいります。本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

CORPORATE PROFILE

日清食品株式会社

日清食品株式会社

代表者
代表取締役社長 安藤 徳隆
創業
1948年9月4日(日清食品ホールディングス株式会社として)
本社所在地
【東京本社】東京都新宿区新宿6-28-1
【大阪本社】大阪市淀川区西中島4-1-1
事業内容
即席麺等の製造および販売

1958年に世界初の即席麺「チキンラーメン」、1971年に世界初のカップ麺「カップヌードル」を開発するなど、新たな食のかたちを提案し続けてきた、即席麺をはじめとする総合食品メーカーです。
現在は、栄養とおいしさの両立をめざした「完全メシ」をはじめとする新規事業にも力を入れ、マーケティングとイノベーションを通じて、多様な食のニーズにお応えしています。