事例紹介

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写真:(左から)藤原 秀樹 様、小竹 順子 様、檜垣 文恵 様

ファイル配信サービスを活用した
商品代金請求書電子化の取り組み

株式会社ニチレイ

ファイネットの新しいサービス、ファイル配信サービスを導入してお取引先様への請求書を電子化することで業務効率化を進めているニチレイ様。取り組みの背景や効果、今後の展望をうかがいました。

ご担当者様(取材当時)

  • ■株式会社ニチレイ
    経理部 債権・支払管理グループ マネジャー
    藤原 秀樹 様

    経理部 債権・支払管理グループ
    小竹 順子 様

    経理部 債権・支払管理グループ
    檜垣 文恵 様

請求書の電子化に至るまで

――はじめに貴社の事業概要についてお聞かせください。

藤原

弊社は1945年に日本冷蔵株式会社として歩みはじめ、1985年に株式会社ニチレイへ社名を変更、2005年に持株会社体制に移行しました。現在は冷凍食品に代表される加工食品事業、食品を安全にお届けするという社会インフラを担う低温物流事業、世界中のこだわり抜いた素材を扱う水産・畜産事業、医療に用いる診断薬等のバイオサイエンス事業を展開し、皆様の食と健康を支え続けています。「くらしを見つめ、人々に心の満足を提供する」というミッションの下、世の中のニーズを的確に捉え、お客様にご満足いただける価値ある商品・サービスを提供し続けていくことが私共の使命と考えています。

――商品代金請求書発送に関する業務についてお聞かせください。

藤原

ニチレイ経理部 債権・支払管理グループはニチレイグループ各事業会社の債権・支払関連業務を受託しております。請求書発行を含む債権関連業務は食品事業を担うニチレイフーズとニチレイフレッシュ分のみを受託しており、2拠点(船橋市・大阪市)合わせて17名のチームで請求書発行、入金照合・消込、与信管理等の業務を遂行しています。請求書は延べ約900社のお取引先様に発行しており、月3000通(年3000時間)程度の郵送作業がありました。
業務上の課題として弊社の請求書は受注入力に連動し、システムで自動的に生成、印刷までを自動化しており後は単純な封詰め作業となる為、何とか全てを自動化したいと考えていました。また発送作業は月初めに集中しており、各お取引様で到着の期日が決められている為、その期間の業務は非常にタイトなものとなっていましたが、これをもう少し平準化したいと考えていました。

――商品代金請求書の電子化を検討し始めた経緯についてお聞かせください。

小竹

2022年1月の電子帳簿保存法の改正で、電子取引の書類は紙で保存する事が出来なくなる事が決まり、お取引先様においても、電子化の対応が進む事が明確になった為、弊社でも電子化を進めて行く事といたしました。

藤原

請求書を受け取るお取引先様の立場で考えれば同じ形式の請求書を一つのサービスで受け取る事が理想であると思います。既に受発注のEDIにおいてはその形が実現し、酒類・加工食品業界の多くの卸とメーカーがその恩恵を受けていますので、請求書発行についても同様にするのが一番であると考えファイネットのファイル配信サービスを利用することにいたしました。

ファイル配信サービス導入の準備

――ありがとうございます。それではファイル配信サービス導入までにどのような準備をされたのか教えていただけないでしょうか。

藤原

2023年4月からサービス導入の準備を始め、部内で2人のメンバーを指名した後2023年度の最重要目標として大きくシステム開発と得意先対応に分けて進めて行きました。卸様の請求書には日々の納品の明細だけでなく、支店やその先のお取引先様ごとに集計した金額も必要である事が多いのですが、その有無によってシステム開発と得意先対応を2段階に分け、第1弾は2023年10月、第2弾は2024年1月でのスタートとなりました。

小竹

各事業会社のシステム管理部門にサービス導入の必要性を説明の上、文案を作成し其々で回議を進めて頂きました。回議決裁の後、第1弾のお取引先様に移行案内を送る1ヶ月前に各営業部門に書面で案内を行いました。本件を進めるうえで、お取引先様よりお問合せを頂いた場合も経理部が全て窓口となり対応する旨を明記しました。その結果、各営業部門からサービスの詳細について説明を求められる事はありませんでした。

――お取引様へはどのようにご案内されたのでしょうか?

檜垣

移行の2ヶ月前に案内文書を請求書に同封して発送しました。案内文書には送付先マスタの登録に必要な情報を盛り込んだ回答フォームのURLを掲載し、お取引先様にはWEB上でご回答を入力頂ける様にしました。各お取引先様のご回答から送付先マスタのCSVデータを作成し、アップロード機能を利用して一括登録を行いました。CSVデータの扱いに慣れていなかった為、当初は何度もエラーとなってしまいましたがファイネットヘルプデスクにサポート頂き無事完了させる事が出来ました。

藤原

請求書作成用のCSVデータ抽出の開発にあたっては、お取引先様の体制・要望に合わせた集計の金額表示には様々なパターン※がある為それを新たなフォーマットで、どのように表現するかを整理するのに苦労しました。開発自体は情報システム管理を委託している日立フーズ&ロジスティクスシステムズ社に全面的な協力を頂き、プロジェクト体制の下、延べ半年以上を掛けて完成させました。

集計(金額)表示の一例

ファイル配信サービス導入後の効果

――ファイル配信サービス導入後の効果についてお聞かせください。

藤原

請求書発行がほぼ自動化され、受信側でご導入頂けたお取引様の数(請求書発行通数)だけ業務時間の削減に繋がります。今期(2023年度)としては、ニチレイフーズとニチレイフレッシュを合わせて約300社分を移行対象としており、約900時間の削減を見込んでいます。

――年間で約900時間の削減は大きいですね。実際お使いいただいて操作性はいかがですか。

檜垣

ユーザーインターフェースがシンプルで分かり易く、一括で請求データをアップロードした場合も、お取引先様ごとに承認(公開)処理が可能である点や、公開処理が直ぐに反映される点が良いと感じています。ファイネットヘルプデスクが年中無休で深夜まで電話で受け付けて頂ける事も非常に有難いと思っています。
既に電子請求書が普及している環境である事もあり、各お取引先様での受け取りは、非常にスムーズに進んでいますが、請求書のフォームが大きく変化した事や紙から電子に変化した事で、いくつかのご要望を頂いておりますので、今後ファイネットにもご協力を頂きたいと考えています。

今後の展望

――今後の帳票電子化の展望をお聞かせください。

藤原

今回のサービスで請求書を受け取って頂けるお取引先様は全体の7割程度で、残りのお取引先様の請求書発行については、まだ手作業が必要であり、今後更にその作業が無くなる様にしていきたいと考えております。中でも多いのは、お取引先様の自社WEBシステムや、他社WEBサービスへのアップロードです。各社各様のシステム利用ではなく、業界全体で共通サービスが普及することで、こうした個別対応を削減できるものと期待しています。

――最後にファイネットに期待することや課題などがあればお聞かせください。

藤原

ファイネットは酒類・加工食品業界の商取引における業界共通基盤であると言えます。ファイネットのサービスを利用する企業が増えれば増えるほど、各企業の業務効率化が進むため、ファイル配信サービスについても、その信念を持って積極的に営業展開を進めて頂きたいです。また、業界ならではのニーズをサービスに反映して行けるのがファイネットの最大の強みであると思います。この新たなサービスについても利用企業の声に応じたブラッシュアップを進めて行って頂くことを期待します。

――ご期待に沿えるよう引き続き取り組んで参ります。本日は貴重なお話をお聞かせいただき有難うございました。

CORPORATE PROFILE

ニチレイ

株式会社ニチレイ

おいしい瞬間を届けたい

日本の食生活を良くしたい
創立以来、この高い志を胸に、多彩な事業を展開し、
単なる食品企業に収まらない
食のフロンティアカンパニーとしての道を
歩んでまいりました。

ニチレイグループは、「長期保存」、「品質保持」、「食材の再現性」といった特性を持つ“冷力”を事業のコアとして、これからも食に関する幅広い領域で、人々の食生活を支え続けてまいります。

本社
東京都中央区築地六丁目19番20号ニチレイ東銀座ビル
代表者
代表取締役社長 大櫛 顕也
売上高(連結)
662,204百万円(2023年3月期)
従業員数(連結)
15,766名(2023年3月31日現在)
事業内容
加工食品事業 水産事業 畜産事業 低温物流事業 不動産事業 バイオサイエンス事業